素材の中でもウールは縮みやすいため、家庭で洗濯する時はいつもの洗い方と区別しなくてはいけません。
お気に入りのセーターやマフラーなど洗濯して縮めないためにも、ウールの正しい洗い方やお手入れ方法を確認しておきましょう。
ウールは縮みやすい!洗い方は洗濯絵表示をチェック
ウールが洗濯で縮みやすい理由は、水に濡れると素材同士が絡み合い収縮して硬くなってしまうからです。
ウールはアンゴラやカシミヤなど、動物の毛(羊毛)全体のことをいい、弾力性と保温性に優れた特徴がありますが、洗濯する時は十分に気をつける必要があります。
手芸などで使われるフェルトも羊毛が使われており、ウール素材の衣類が水に濡れるとフェルトのように硬くなります。
自宅でウールを洗濯する時は、洗濯絵表示(洗濯マーク)を確認しましょう。
ウールのセーターやマフラーなどの洗濯絵表示を見ると、多くは「ドライマーク」が記載されています。
ドライマークはドライクリーニングに対応した素材という意味ですが、洗濯マークに「洗濯機マーク」や「手洗いマーク」があれば自宅でも洗濯できます。
ウールは洗濯洗剤によって縮む!専用洗剤を用意しよう
ウールの洗濯絵表示に洗濯機マークや手洗いマークがある場合は、ドライマークに対応した「おしゃれ着洗い用中性洗剤」を使わなくてはいけません。
おしゃれ着洗い用中性洗剤は通常の洗濯洗剤と違い、衣類の繊維が縮まないようにシリコンなどの成分が含まれています。
ただし、おしゃれ着洗剤だからといってどんなウールでも縮まないとは限らないため、必ず洗濯絵表示を確認した上で使いましょう。
また、ウールの洗濯では選択用柔軟剤も一緒に使うのがポイントです!
柔軟剤は洗濯後に繊維の柔軟性を高めるのに必要不可欠で、汚れや静電気などから守るコーティングの役割もあります。
ウールを洗濯する際は、おしゃれ着用洗濯洗剤と柔軟剤を使って、生地のダメージを最小限に抑えるように工夫が必要です。
ウールを洗濯する前に色落ちや汚れを確認!
ウールを洗濯する前に、色落ちやシミ・汚れがないか確認しましょう。
洗濯によって一度色落ちしたウールは、二度と色が戻ることはありません。
洗濯する前に目立たない部分に、おしゃれ着用洗剤を少量塗り5分ほど放置します。
時間になったら、タオルやティッシュペーパーなどで上から軽く抑えて色落ちがないかを確認してください。
もしシミや汚れがあるなら、おしゃれ着用洗剤の原液を汚れ部分に直接浸透させて軽くなじませます。
その後、洗濯絵表示の洗い方で洗濯しましょう。
※、洗濯絵表示にシミ抜き不可と表示されたウールは、自宅でシミ抜きできません。クリーニング店でキレイにしてもらう必要があります。
洗濯機で洗濯するウールの正しい洗い方
洗濯機でウールを洗う時は、衣類を洗濯ネットに必ず入れましょう。
ウールは伸び縮みしやすいため、洗濯ネットに入れるとほかの洗濯物と絡まらず洗えます。
ウールの洗い方は洗濯機の「ドライコース」や「ソフトコース」など、弱い水流と短時間の脱水で洗い上げることが大切!ウールの縮みを最小限に抑えられますよ。
また、洗濯洗剤を使う時は、必ず洗濯機の投入口に入れてからスタートさせましょう。
洗濯洗剤の使用は「洗い」、柔軟剤は「最後のすすぎ」で仕上げ剤として投入します。
柔軟剤は髪を洗う時のトリートメントのような働きがあるので、洗いの時に一緒に流れてしまうと意味がありません。
手洗いで洗濯するウールの正しい洗い方
セーターなどウールの多くが手洗いです。
自宅で洗濯できるとはいえ、手洗いで洗うケースがほとんどないため戸惑う人も多いのではないでしょうか。
手洗いは思いのほか簡単で、洗濯機でウールを洗うよりダメージを最小限に抑えられます。
具体的な手洗いの洗い方は、次の手順を参考にしてください。
- 洗濯絵表示で「水洗い不可」ではないか確認
- 洗面器に水(またはぬるま湯)と水量分の洗剤を入れて溶かす
- 衣類を上から押すイメージで5分ほど手洗いする
- 水を約3回取り替えてすすぐ(泡がなくなるまで)
- 洗濯ネットに入れて洗濯機で10秒ほど脱水する
- 洗面器に水と水量分の柔軟剤を入れて溶かす
- 衣類に柔軟剤の水を含ませる→すすぐ
- 洗濯ネットに衣類を入れて、洗濯機で約1分脱水する
- 干す
ウールの洗い方は、いかに短時間で終わるかが勝負!
洗う時間が長引くほどウールは硬く縮みやすいので、スピーディーに洗濯しましょう。
ウールは洗濯回数で縮みを防止できる!
ウールはデリケートな素材なので、洗濯回数を最小限に抑えるのがポイントです。
例えば、ウール素材のセーターを重ね着として着用すると、汗など直接触れるわけではないので毎回洗濯しなくても問題ありません。
とはいえ、ウールは保湿性に優れた素材なので、重ね着をしても汗や外気から湿気を吸収している可能性が高いので気をつけてください。
洗濯をしない場合は「一日干す、またシーズン中に1回は必ず洗濯」して、清潔な環境を保つように心がけましょう。
ウールを洗濯したら平干しとアイロンがけで型崩れ防止
ウールは洗濯による型崩れや縮みが目立ちやすいため、正しい洗い方でキレイにしたあと、「平干し」と「アイロンがけ」で形をキープしましょう。
ウールは通常の衣類のように洗濯後、ハンガーへかけて干すと水分の重みで生地が伸びてしまいます。
干す時は水分の重みを与えない平干しがおすすめ!
平干し用ネットなど市販で販売しているので、ウールを自宅で洗濯する時に活用してみてください。
また、ウールを洗濯した後にシワが目立つ時は、スチームアイロンで生地をふんわりさせましょう。
アイロンを直接ウール素材の衣類へ押し当てると、生地全体が潰れてしまうので注意!
ウールにアイロンを使う場合は、アイロンを浮かせながらスチームでシワを伸ばすイメージで使うのがポイントです。
ある程度、生地がふんわりしてきたら、手のひらで軽くシワを伸ばすとキレイに仕上がりますよ。
ウールが洗濯で縮んだら整髪用トリートメントが効果的
どんなに洗濯絵表示を確認したり正しいウールの洗い方をしたりしても、縮んでしまう可能性があります。
もしウールが縮んでしまったら、ヘアアレンジなどで使うトリートメントが悩みを解決してくれます。
ウールの素材は動物の毛、つまり髪の毛と同じたんぱく質でできているので、縮まったウールは状態がとても似ているのです。
トリートメントをそのままウール素材の衣類へ使うのではなく、40℃前後のお湯に少量溶かしてから絡まって縮んだウールをほぐします。
整髪用トリートメントの液に1分ほど衣類を浸透させたら、手押しとタオルに挟んで水気を取り除きます。
あとは手のひらで繊維を叩き伸ばし、平干しするとウールの縮みが解消できますよ。
ウールの洗濯が自宅でできない時はクリーニング店へ
ウール素材の衣類の洗濯絵表示にドライマークや手洗いマークがあったとしても、間違った方法で洗濯すると縮みや素材が硬くなる可能性があります。
また、ウールによって自宅で洗濯できないケースもあるでしょう。
もし、自宅でウールを洗濯するのが不安だったり洗濯自体ができなかったりした時は、クリーニング店がおすすめです。
クリーニング店は水を使わず専用の溶液でドライクリーニングするため、ウールの素材にダメージをあたえずに洗います。
クリーニング店によって、値段や素材に合わせた洗濯方法などサービスが異なるので、サービス面を確認するのもポイントです。
ウール素材の衣類は洗濯の洗い方で長持ちできるため、お気に入りのセーターなどはクリーニング店も視野にしてみてください。
自宅までの集配や無料サービスが豊富な宅配クリーニングを利用するのもおすすめです。
まとめ
ウールを洗濯する際は、洗濯絵表示にドライマークを確認しましょう。
手洗いマークや洗濯機マークがあると自宅でも洗えます。
ウールの衣類をよく着る時期は手軽にキレイにできるので助かりますね!
自宅で洗う際は必ずおしゃれ着用洗剤を使って、短時間で洗いと脱水を済ませるなど注意してください。
ウールの洗濯は洗い方によって縮みや色落ちなどあるため、自宅で洗濯する時は正しい洗い方をしなくてはいけません。
不安な人はクリーニング店や、最近人気の宅配クリーニングでドライクリーニングするのをおすすめします!