ドライクリーニング表示のある衣類でも、おうちで簡単に洗濯できます!
一般的な衣類と違ってドライクリーニングマークのものは、自宅で洗濯のコツと注意点がありますので、
- おうちでドライクリーニングができる理由
- どんな衣類が自分で洗濯できるのか
- 自宅での洗濯方法
- 家で洗うときの注意点
- プロにお任せした方がいい衣類
を紹介していきます。
おうちでドライクリーニングは、意外と簡単なので、時間がある方は試してみてください。
おうちでドライクリーニングはできるのか
おうちでも簡単にドライクリーニングマークの衣類は洗濯できます。
正確には「おうちでドライクリーニング」するというのではなく、自宅で丁寧に水洗いするという意味です。
また、ドライクリーニングマークはドライクリーニングできるというマークであって、ドライクリーニングが必須というわけではありません。
一般的なドライクリーニングは特殊な石油系溶剤・パークロロエチレンなど、揮発性有機溶剤で衣類を洗濯するため、水を使わずに専用の機械と洗剤で洗います。
溶剤はろ過するものの繰り返し使用されるので、クリーニング店によってはあまりきれいではない溶剤を使っていることもあるので注意が必要です。
クリーニング店によっては溶剤のろ過方法を掲載しているところもあるので、気になる場合は確認してください。
ドライクリーニングで使われるのは石油系の溶剤なので、においが気になる、肌が荒れてしまうというトラブルも聞きます。
また、衣類は傷めないものの、ドライクリーニングでは油性の汚れは落ちても、汗などの水汚れは落ちません。
つまり、おうちでドライクリーニングをする方が、実は汚れ落ちがいいんです。
一部のクリーニング店の方は、できるだけ自宅で洗った方がいいと推奨するほどで、ドライクリーニング = 自宅では洗えないわけではありません。
お家でドライクリーニングの意味
おうちでドライクリーニングとは、自宅にある洗濯機のドライコースで洗浄する、手で丁寧に水洗いすることを意味します。
実際にクリーニング店を営んでいる方が紹介している洗濯術でも、9割の衣類は自宅で洗えると話しています。
ドライクリーニングマークのついた学生服、ジャケットなども、おうちでドライクリーニングが可能というのは驚かれるかもしれません。
家で簡単にドライクリーニングの衣類を洗えれば、ちょっとした汚れは自分で洗濯できますね。
また、おうちでドライクリーニングする方法がわかれば、ドライクリーニングで起こるトラブルを極力減らすこともできるのでおすすめです。
おうちでドライクリーニングをおすすめする理由
ドライクリーニングマークの衣類をおうちで洗うメリットは、汚れが良く落ちるという点が大きいです。
また、ドライクリーニングに出すと3日~1週間程度かかることが多いため、急ぎの場合はおうちでドライクリーニングの方が時間短縮できます。
自宅で簡単にドライクリーニングの衣類を洗えれば、年間のクリーニング代もグッと節約できるのでおすすめです
自宅で洗濯できる衣類の見分け方
おうちでドライクリーニングできる衣類は、以下の通りです。
- ドライクリーニングマークがついていても水洗いマークがある
また、水洗い不可マーク、ドライクリーニングマークがついている衣類でも素材によって、自宅でドライクリーニングができるものもあります。
- ポリエステ
- 合成繊維
- 麻
- 綿
- ウール
- アンゴラ
- レース
- シルク
- カシミア
- ゴアテックス
などは、おうちでドライクリーニングが可能です。
また、スーツ、学生服、ダウン、コート、ウェディングドレス、羽毛布団も洗濯できます。
一方、自宅で洗濯するのを避けた方がいい素材は、以下の通りです。
- 皮革
- シルク
- キュプラ
- レーヨン
- 半合成繊維
- 毛皮
- ちりめんなどの強ねん糸使いの生地
- ベルベット
- 色落ちするもの
- 和服
- 和服小物
- しわ、光沢加工したもの
- 芯地や付属品
- 特殊な飾りがついているもの
- 取り扱い絵表示がないもの
- 素材が不明なもの
特に皮革・毛皮は水で洗うと固くなる、レーヨンやキュプラは縮んでしまう、半合成繊維は白くなってしまう、光沢やしわ加工しているものは元の状態に戻すのが難しいので、避けた方がいいです。
また、素材は自宅で洗濯できるものであっても、大切な衣類、型崩れしやすいドレスはおすすめしません。
※参考資料:日本一の洗濯屋が教える間違いだらけの洗濯術
おうちでドライクリーニングする方法
おうちでドライクリーニングは、誰でも簡単にできる方法です。
まずは、ドライクリーニングマークの衣類を家で洗濯する前にするべきこと、洗濯に必要なもの、洗い方、乾かし方、普段のケア方法などをしっかりおさえてください。
家で洗濯する前にやるべきこと
ドライクリーニングマークの衣類をおうちで洗濯する前に、普通の衣類同様、色落ちするものか、ほつれがないか、穴あきがないかをチェックします。
色落ちの確認は、中性洗剤を目立たない部分につけ、試してください。
中性洗剤を綿棒につけ裏側の縫い代など、目立たないところに洗剤をつけると色落ちするかどうか、確認しやすいです。
自宅で洗濯するときに用意するもの
おうちでドライクリーニングするときに用意するものは、以下の通りです。
- おしゃれ着洗いなどの中性洗剤
- サイズの合った洗濯ネット
- 洗面器やバケツ(手洗いの場合のみ使用)
洗濯洗剤はエマールなど、おしゃれ着洗い向けの中性洗剤を用意します。
ふわっと感を出す場合は、柔軟剤も用意してください。
洗濯ネットは大きすぎると型崩れ、傷み、しわなどの原因になるので、ぴったりサイズを選びましょう。
なければ、端を縛って衣類が動かないようにしてください。
また、手洗いする場合は、衣類が入るサイズの洗面器やバケツ、なければ洗面台で洗ってもかまいません。
ドライクリーニングの衣類を洗濯機で洗う方法
おうちでドライクリーニングをする場合、洗濯機で洗うこともできます。
洗濯機を使う場合の注意点は、「ドライ」「おしゃれ着洗い」「おうちクリーニング」「手洗い」コースを選んでください。
ドライがあれば、ドライコースを選びましょう。
手洗いコースよりもドライコースの方がソフトな洗い方になります。
- 洗面器、バケツ、洗面所のシンクのいずれかに洗濯液を作ります。
濃度は中性洗剤に合わせた分量で作ってください。
洗剤が濃すぎると繊維に洗剤が残りやすくなり、黄ばみや菌の発生の原因になります。
分量の目安は、水4L:中性洗剤10mlくらいです。
水に中性洗剤を入れたら、手でかき混ぜておきます。
また、30度以下の水でないと縮みの原因になるので、ご注意ください。 - 袖口や襟を予洗いしておきます。
優しくもむように洗ってください。 - 畳んだ衣類を洗濯液に浸し、上から押す、浮かせるを30回程度繰り返して、押し洗いします。
デリケートな素材の場合は押し洗いではなく、洗濯液に約30分程度つけておきます。 - 押し洗いが終わったら、水を取り替えて押す、浮かせるを15回程度行い、これを2~3回程度、泡が出なくなるまで繰り返します。
最後のすすぎの際、柔軟剤を入れます。 - 脱水は洗濯機の一番弱いコースで30秒ほどで済ませましょう。
絶対に手で絞らないでください。
おうち用ドライクリーニング洗剤で洗う場合
一般的な中性洗剤やドライクリーニング向けの洗濯洗剤以外にも、本格的なドライクリーニング溶剤も販売されています。
油系の汚れを落としたい場合には、ドライクリーニング専用の洗濯洗剤を使うのがおすすめです。
特におすすめの洗濯洗剤は「pasha basha ドライ (パシャバシャドライ)」。
家庭でも使えるように開発されたドライクリーニング専用の溶剤です。
環境に優しい植物系のドライクリーニング溶剤を採用し、水溶性・油性・不溶性全般の汚れに対応できます。
使い方は簡単で、pasha basha ドライの洗濯液を作り、衣類を押し沈めてつけ置き、脱水機で一度水切りしてからきれいな水ですすぎ、脱水するだけです。
使い方は手洗いとほぼ一緒ですね。
3850円(税込)なので、ちょっとお高めですが、油性のものもしっかり落としたいという方は、試してみてもいいでしょう。
洗濯後はすぐに陰干し
洗濯機でも手洗いでも、洗濯後はすぐに陰干ししましょう。
形を整えてから衣類にあった干し方をします。
- セーター類なら平干し
- スーツやコート類なら幅広のハンガーにかける
- ダウンなどは干す前に空気を入れるようにたたいて、中の偏ったダウンを整えてから干す
スーツなどアイロンがけが必要な衣類の場合
スーツなど、アイロンがけが必要な衣類の場合は、かけ方にもコツがあります。
しわをしっかり伸ばすために、半乾きの状態でアイロンを当ててください。
また、当て布をしてから裏側、表、折り目の順にアイロンをかけます。
肩回り、ズボンの腰回りは、折りたたんだタオルを入れて形を整えてからアイロンがけをしてください。
専用の袖万、肩万などがありますが、なければタオルで十分です。
熱を逃がすために、もう一度、ハンガーにかけて乾かしてください。
普段からのケア方法
スーツやコート類などの衣類は、定期的におうちでドライクリーニングする以外にも、普段からケア方法に注意した方がいいです。
また、その他のドライクリーニングの衣類も以下のケアをするといいでしょう。
- 定期的に風通しの良いところで陰干しする
- 虫食いや汚れ対策に、ブラッシングでゴミやほこりを取る
- しわが付いたときはスチームアイロンの蒸気で伸ばす
- インナーを着て、肌に直接触れないようにする
- 着用したら2日は衣類を休ませ連続して使用しない
- 皮脂が付きやすい襟や袖口は、着用後、水で固く絞った布で軽く拭いてから陰干しする
- においが気になるものは、既定の回数・距離から消臭スプレーをする
- ゴミが付きにくくなるよう、静電気が起きない組み合わせで着用する
おうちでドライクリーニングするときの注意点
おうちでドライクリーニングは簡単ですが、いくつか注意点があります。
以下の注意点を守らないと衣類を傷めるので、覚えておきましょう。
水洗いできる素材かどうかチェックする
水洗いできる素材かチェックしておかないと以下のトラブルが起きます。
- 縮む
- 色落ちする
- 毛羽つ
- しわができる
- 風合いが悪くなる
- 型崩れする
- 水染みができる
- 装飾品にダメージを与える
- カビが生える
などのリスクが考えられます。
水洗いできる素材かどうかについては、前述の「自宅で洗濯できる衣類の見分け方」をご覧ください。
色落ちしないか洗濯前に確認する
色落ちするかどうかを確認しておかないと、衣類全体の色が変わってしまうことがあります。
後悔しないためにも、前もって裏側の縫い目など、目立たないところで色落ちしないか確認しておきましょう。
襟や袖口汚れは前もって処理しておく
襟や袖口の汚れがひどい場合は、前もって洗剤をなじませて処理してください。
ごしごしするのではなく、優しくもみ洗いする、ブラシでトントンするようにしましょう。
汚れを落とすためにごしごし洗うと、生地が傷んでしまいます。
ほつれや穴がないか確認しておく
ほつれや穴が開いたまま洗濯すると、ダメージが広がってしまうことがあります。
衣類を傷めないためにも洗濯前に確認し、補修しておきましょう。
30度以下の水温で洗う
温度が高いお湯で洗うと縮みの原因になります。
洗濯する際は、30度以下の水温で洗いましょう。
ほかの衣類と分けて洗う
ドライクリーニングの衣類は、ほかのものと分けて洗わないと生地を傷める原因になります。
洗濯ネットに入れ、単品で洗濯機で洗うか、手洗いしてください。
風合いを大事にするなら柔軟剤を入れる
カシミヤなど、風合いを大事にする衣類は、柔軟剤を入れる方がおすすめです。
柔軟剤を入れないと油分が抜け、風合いが損なわれるリスクがあります。
ダウンなどは洗い方から干し方までコツがいる
ダウンも自宅で洗濯できますが、洗い方や干し方にコツがいります。
洗濯機で洗う前に、タオルで覆ってから洗濯ネットに入れると水に浮きません。
また、洗濯後は中のダウンが偏ってしまいます。
全体をたたいて空気を中に入れてから形を整え、幅広のハンガーにかけ陰干ししてください。
脱水には細心の注意を
洗濯機の脱水だと傷むのでは?と思いますが、手で絞るのは傷み、しわの原因になるので、できるだけ洗濯機の脱水機能を使いましょう。
特にウールなどは縮みやすく、フェルト化を避けるためにも、洗濯機の脱水機能を利用してください。
手で脱水する場合は、絞らずに両手で押すように水切りするか、シンクなどに押し当ててギュッと水を切ってください。
脱水時間は短くする
ドライクリーニングのものは、脱水時間を短くしないとしわや縮みの原因になります。
脱水時間はできるだけ短く、30秒~1分以下にとどめましょう。
水がポタポタ落ちない程度が目安です。
型崩れに気を付けた干し方をする
干し方によっては、型崩れすることがあるので、干し方にも注意しましょう。
脱水後はすぐに衣類を取り出し、しわを伸ばして形を整え、陰干してください。
日向で干してしまうと紫外線によって、衣類が傷む原因になるので、ご注意ください。
セーターなどは、平干ししてください。
乾燥機は使わない
デリケートな衣類は、乾燥機を使うと縮みの原因になります。
乾燥機で乾かすのは、絶対にやめましょう。
9割の衣類が自宅で洗えるのにクリーニングがいい理由とは
前述のとおり、約9割の衣類が自宅で洗濯できるとプロの方も明言しています。
それでも、クリーニングがいい理由はいくつかあります。
- 洗濯後の仕上げが難しい
- アイロンをかける技術が必要
- 手間がかかる
- クリーニングの方がコスパがいい
- 大型のものは自宅で洗濯から乾燥までが面倒
という点です。
上記の点で気になる場合は、クリーニング店にお任せした方がいいです。
プロに任せた方がいいもの
おうちでドライクリーニングするよりも、プロにお任せした方がいいものがいくつかあります。
- 頑固なシミ
- 失敗したくない衣類
- 型崩れしやすい衣類
- 大型の衣類や布団
- アイロンがけが難しいもの
などは、クリーニング店にお任せした方が安心です。
水洗い不可になっているものについては、洗濯できる素材であっても、風合いや型崩れのリスクが多少なりともあります。
どうしても失敗したくない衣類であれば、自宅で洗濯するのは避けた方がいいでしょう。
また、頑固なシミは、素人が落とそうとすると悪化したり、生地を傷める可能性が高いので、おうちでドライクリーニングをするのは避けてください。
おうちでドライクリーニングが面倒なら宅配クリーニング
ドライクリーニングマーク付きでも自分で洗濯できますが、けっこう手間がかかります。
特に衣類が多い場合は時間がかかるので、お仕事をされている方にとっては手間ですよね。
毎回、自分で洗うのは面倒くさい、忙しくてできないという場合は、宅配クリーニングがおすすめです。
クリーニング店まで足を運ぶ必要がなく、スマホでいつでもどこでも好きなときに、依頼することができます。
また、衣類を取りに来てもらう日時の指定もできる、配送の日時も指定できる、保管までしてもらえるので便利です。
利用者も年々増えているので、この機会に利用してみるのもいいでしょう。
まとめ
おうちでドライクリーニングは、クリーニング店のような洗い方ではなく、水で丁寧に洗うことを意味します。
今までドライマークのものは、全てクリーニングに出していたという方には、びっくりしたのではないでしょうか?
手間はかかりますが、ドライクリーニングの嫌なにおいが気になっていたという方は、自宅でドライマークの衣類を洗ってみてください。